ゼップバウンドとウゴービは、どこが違う?

ゼップバウンド.com編集部|内容の確認日 2026年10月31日

どちらも肥満症に承認された週1回の注射で、名前が並べて語られることの多い薬です。電子添文と国のガイドラインに書かれた事実だけを並べます。

答えを先に
  • 成分が違います。ゼップバウンドはチルゼパチド、ウゴービはセマグルチドです。
  • 働く受容体も違います。チルゼパチドはGIPとGLP-1の2つの受容体に働きます。セマグルチドはGLP-1受容体だけに働きます。
  • 肥満症で使うときのガイドラインの条件は、ほとんど同じ形です。違うのは期間の上限で、ゼップバウンドは72週、ウゴービは68週です。
  • このサイトは、どちらが優れているかの順位をつけません。

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項目ゼップバウンドウゴービ
成分チルゼパチドセマグルチド
働く受容体GIP受容体とGLP-1受容体GLP-1受容体だけを選んで働く
同じ成分の2型糖尿病の薬マンジャロオゼンピック、リベルサス
肥満症の前提になる病気高血圧、脂質異常症、耐糖能障害のどれか。保険は高血圧、脂質異常症、2型糖尿病がある人に限る高血圧、脂質異常症、2型糖尿病のどれか
肥満症のほかの効能中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群(BMI27以上)肝硬変のない代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)で、中等度以上の線維化がある場合
注入器使い切りの「アテオス」。量は6種類使い切りの「SD」5種類と、4回分が入った「ペン」5種類
量の上げ方2.5mgで始め、4週ごとに2.5mgずつ上げて10mgで続ける0.25mgで始め、4週ごとに0.5、1.0、1.7、2.4mgと上げて2.4mgで続ける
量の幅5mgまで下げる、15mgまで上げることができる体の状態に応じて下げることができる
打ち忘れたとき次の予定まで72時間以上あれば打つ次の予定まで48時間以上あれば打つ
薬価基準への収載2025年3月19日2023年11月22日

マンジャロとの違いはマンジャロとの違いで、量の上げ方の手順はアテオスの打ち方と量の上げ方で説明しています。

働き方の違い

ゼップバウンドの電子添文は、働き方を次のように説明しています。脳でGIP受容体とGLP-1受容体に働いて食欲を調節し、脂肪細胞のGIP受容体に働いて脂質などの代謝を高める。こうして体重を減らすと考えられる、という内容です。

ウゴービの電子添文は、体の中のGLP-1が働く受容体(GLP-1受容体)に選んで結合する薬だと説明しています。

このページでは、受容体の数の違いから、効き目や安全性の差を導くことはしません。

ガイドラインの条件で、同じところ

どちらの薬にも、肥満症の「最適使用推進ガイドライン」があります。次の点は2つで同じです。

期間の上限が違う理由

薬肥満症での上限ガイドラインが挙げる理由
ゼップバウンド最大72週日本人の試験で、効果を主に評価した期間が72週だった
ウゴービ最大68週日本人の試験で、68週を超えて使った経験がない

どちらも、十分に体重が減ったときは上限を待たずにやめることを考える、とされています。ゼップバウンドには睡眠時無呼吸症候群のガイドラインが別にあり、上限は52週です。ウゴービにはMASHのガイドラインが別にあります。

72週の後のことは72週の区切りと、やめた後で扱っています。

保険の条件の違い

ゼップバウンドの効能には、2026年5月から耐糖能障害が入りました。しかし保険の対象は、高血圧、脂質異常症、2型糖尿病のどれかがある人に限られています。ウゴービの効能の前提は、もともとこの3つです。

そのため保険で使う場面では、前提になる病気は同じ3つです。BMIの条件(35以上か、27以上で健康障害が2つ以上)も同じです。保険で使える人の条件は保険で使える人の条件で、医療機関の条件は処方できる医療機関の条件で確かめられます。

薬価は、このページでは並べません。ウゴービのペンは1本に4回分が入っていて、1回分の注入器と単位が違うためです。ゼップバウンドの薬価は薬価と供給の状況にあります。

副作用の載り方

副作用の割合は、試験によって対象の人や期間が違います。そのため、2つの薬の割合を並べて比べることはしません。症状ごとの受診の目安は副作用と受診の目安にあります。

日本人で確かめた試験の違い

薬試験対象期間使った量
ゼップバウンドSURMOUNT-J日本人の肥満症の人。糖尿病のある人は除く72週10mg、15mg
ウゴービ4382試験日本人と韓国人の肥満症の人68週1.7mg、2.4mg

対象の人、期間、量がそろっていない試験どうしでは、体重の数字をそのまま並べて比べられません。

2つを直接比べた試験(SURMOUNT-5)

2025年に、チルゼパチドとセマグルチドを直接比べた試験の結果が発表されました。2型糖尿病のない肥満の大人751人を2つに分け、週1回、72週使いました。チルゼパチドは耐えられる最大の量(10mgか15mg)、セマグルチドは1.7mgか2.4mgです。72週の体重の変化は、チルゼパチドの群で−20.2%、セマグルチドの群で−13.7%でした。

この結果には、次の条件がついています。

このサイトが「どちらが痩せるか」を決めない理由

よく出る疑問

ゼップバウンドとウゴービ、どちらがよく痩せますか?

このサイトは順位をつけません。日本人の試験は条件がそろっておらず、直接比べた試験にも非盲検などの条件があります。どちらを使うかは、病気と体の状態を見て医師が決めます。

ゼップバウンドとウゴービを一緒に使えますか?

いいえ。ゼップバウンドの電子添文は、GLP-1受容体に働くほかの薬と併用しないよう書いています。ウゴービのガイドラインも、ほかのGLP-1受容体作動薬と併用しないとしています。

使える期間の上限は、なぜ違うのですか?

ガイドラインは、日本人の試験の長さを理由に挙げています。ゼップバウンドは試験で効果を主に評価した期間が72週、ウゴービは68週を超えて使った経験がないためです。

保険で使える人の条件は同じですか?

前提になる病気(高血圧、脂質異常症、2型糖尿病)と、BMIの条件は同じです。違うのは期間の上限です。ゼップバウンドの効能に入った耐糖能異常だけの人は、保険の対象になりません。

出典(編集部が原文を読んだ資料)
  1. ゼップバウンド皮下注 電子添文(2026年9月改訂 第6版)|PMDA(2026-10-31確認)
  2. ウゴービ皮下注SD 電子添文(2026年6月改訂 第7版)|PMDA(2026-09-30確認)
  3. ウゴービ皮下注ペン 電子添文(2026年6月改訂 第5版)|PMDA(2026-09-30確認)
  4. 最適使用推進ガイドライン チルゼパチド(ゼップバウンド皮下注)~肥満症~(令和7年3月・令和8年5月改訂)|厚生労働省(2026年5月)
  5. 最適使用推進ガイドライン チルゼパチド(ゼップバウンド皮下注)~閉塞性睡眠時無呼吸症候群~(令和8年5月)|厚生労働省(2026年5月)
  6. 最適使用推進ガイドライン セマグルチド(ウゴービ皮下注)~肥満症~(令和5年11月・令和8年6月改訂)|厚生労働省(2026年6月)
  7. 最適使用推進ガイドライン セマグルチド(ウゴービ皮下注)~MASH~(令和8年6月)|厚生労働省(2026年6月)
  8. 肥満症治療薬の安全・適正使用に関するステートメント|日本肥満学会(2025年4月10日改訂・2026-10-31確認)
  9. 使用上の注意の改訂指示(医薬安発0730第1号)|PMDA(2025年7月30日)
  10. Kadowaki T, et al. SURMOUNT-J. Lancet Diabetes Endocrinol. 2025;13(5):384-396(2025年)
  11. Aronne LJ, et al. Tirzepatide as Compared with Semaglutide for the Treatment of Obesity. N Engl J Med. 2025;393(1):26-36(2025年)
  12. 薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について(令和8年11月1日適用・注射薬リスト)|厚生労働省(2026-10-31確認)

このページは、電子添文や国のガイドラインなど公開された資料をまとめたものです。一人ひとりの体に合うかどうかは判断できません。始める・やめる・量を変えるときは、処方した医師か薬剤師に相談してください。当サイトは医療機関の紹介も、薬の販売もしていません。詳しくは免責事項をご覧ください。