アテオスの打ち方と量の上げ方
- 注射は週に1回です。曜日を1つ決めて、毎週その曜日に打ちます。
- 量は2.5mgから始めます。4週ごとに2.5mgずつ増やし、肥満症では10mgが基本の量です。
- 打ち忘れたときは、次の予定日まで72時間(3日)残っているかどうかで動き方が決まります。2回分をまとめて打つことはしません。
- 保管は冷蔵庫(2〜8℃)で、凍らせません。室温に置くなら30℃以下・外箱に入れたまま・21日以内です。
日本で使われているのは「アテオス」という形だけです
日本で承認されているゼップバウンドは、「アテオス」と呼ばれる注入器の形だけです。
アテオスは、薬の入った容器と針が、あらかじめ注入器に組み込まれています。1本を1回で使い切るキットです。
発売時のメーカーの発表では、使う人が針を扱ったり、量を合わせたりする必要はないと説明されています。
| 規格(1本あたり) | 肥満症で使うとき | 睡眠時無呼吸症候群で使うとき |
|---|---|---|
| 2.5mg | 始めの4週間に使う量 | 始めの4週間に使う量 |
| 5mg | 2段目。合い方によっては、この量で続けることもある | 2段目 |
| 7.5mg | 3段目 | 3段目 |
| 10mg | 基本の量(維持の量) | 4段目。合わないときに調整できる幅の下限 |
| 12.5mg | 10mgから4週間以上あけて上げるとき | 5段目 |
| 15mg | 上げられる量の上限 | 基本の量(維持の量) |
どの規格も、1本に0.5mLの薬液が入っています。包装の単位は「0.5mL×2キット」です。
注入器の形は、同じ成分の2型糖尿病の薬と同じです。メーカーの資材は取り違えに気をつけるよう求めていて、ゼップバウンドの箱とラベルには、すべての規格で薄い緑色が使われています(マンジャロとの違い)。
量は4週ごとに一段ずつ上がります
電子添文どおりに上げた場合の流れです。実際の量と時期は、処方した医師が決めます。
- 1〜4週目は2.5mg。体を薬に慣らすための量です。
- 5〜8週目は5mg。ここから先も4週ごとに2.5mgずつ増えます。
- 9〜12週目は7.5mg。
- 13週目からは10mg。肥満症では、これが基本の量です。
10mgで足りないときは、4週間以上あけて2.5mgずつ、15mgまで上げられます。反対に、5mgまで下げることもできます。
吐き気など胃腸の症状で続けにくい人では、量を下げるか、上げる時期を延ばすことが考えられます(電子添文7.3)。
体重の減り方や体の合い方によっては、週1回5mgのまま続けることも選べます(電子添文7.4)。
この「5mgで続ける」選択肢が入った理由は、審査報告書に書かれています。海外の試験で、5mgの群にも一定の体重の減少があり、副作用や中止に至った有害事象が10mg・15mgより少なかったためです。
睡眠時無呼吸症候群に使うときは、同じ上げ方で15mgまで進みます。こちらは15mgが基本の量です(睡眠時無呼吸症候群での使い方)。
量を自分で増やしたり減らしたりはしません。患者向けの資料も、自分の判断でやめたり量を加減したりせず、医師の指示に従うよう書いています。
打つ曜日と、打つ場所
注射は週1回で、毎週同じ曜日に打ちます。
| だれが打つか | 打てる場所 |
|---|---|
| 自分で打つ | おなか(腹部)か、太もも(大腿部) |
| 操作の訓練を受けた人に手伝ってもらう | おなか・太ももに加えて、二の腕の後ろ側 |
同じ場所の中で打つときも、毎回少しずつ位置を変えます。
皮膚のすぐ下(皮下)に打つ薬です。血管の中や筋肉には打ちません。
打つ前に、注入器が壊れていないかを見ます。薬液が無色からわずかに黄色の透明で、浮いているものがないことも確かめます。
注射した所の赤み・かゆみ・痛み・腫れは、ゼップバウンドでは「5%以上」の区分に入る副作用です(副作用と受診の目安)。
注入器の細かな操作は、箱に入っている取扱説明書と、医療機関での指導に従います。
打ち忘れたとき、曜日を変えたいとき
基準になるのは、次に打つ予定の日時まで72時間(3日)以上あるかどうかです。
| 気づいたときの状況 | どうするか |
|---|---|
| 次の予定日まで72時間以上ある | 気づいた時点ですぐに打ちます。その次からは、もとの曜日に戻します |
| 次の予定日まで72時間に足りない | その回は打ちません。次の決めた曜日に打ちます |
| 打つ曜日そのものを変えたい | 前の注射から72時間以上あけてから、新しい曜日に打ちます |
たとえば、月曜の朝に打つ人が、木曜の朝に忘れていたと気づいたとします。次の月曜の朝までは4日(96時間)あるので、木曜に打って、次からは月曜に戻します。
土曜の朝に気づいた場合は、月曜の朝まで2日(48時間)しかありません。この回は打たずに、月曜を待ちます。
どんな場合でも、2回分を一度に打ってはいけません。1本は1回だけ使います。
多く打ってしまったときは、体の様子に気をつけます。異常を感じたら、医師か薬剤師に相談します。
保管の温度と、室温に置ける日数
| 置き方 | 決まり |
|---|---|
| ふだんの保管 | 冷蔵庫など2〜8℃の所に置きます。光が当たらないようにし、凍らせません |
| 凍ってしまったとき | 使いません |
| 室温に置くとき | 30℃を超えない場所で、外箱から出さずに置きます。21日以内に使います |
| 家の中での置き場所 | 子どもの手の届かない所にします |
室温での保管は、3つの条件がそろってはじめて認められます。30℃以下であること、外箱に入れたままであること、21日以内に使うことです。
真夏の車の中など、30℃を超えるおそれがある場所には置きません。
電子添文の有効期間は24か月です。
使い終えた注入器の捨てかた
使い終わった注入器は、処方した医療機関の指示どおりに捨てます。患者向けの資料にも、主治医から指示された方法で捨てるよう書かれています。
電子添文は医療機関の側に、器具を安全に捨てる方法をしっかり指導するよう求めています。
家庭のごみに出してよいかどうかは、住んでいる自治体や医療機関によって扱いが違うことがあります。自分で決めずに、まず医療機関に確かめてください。
使わずに残った薬は、ほかの人に渡してはいけません。処分のしかたは、薬局か医療機関に相談します。
自宅で自分で打つための決まり
ゼップバウンドは、医療機関で自己注射の教育を十分に受けた本人か家族が、自宅で打てる薬です。
電子添文は医師に対し、教育のあとで本人が確実に打てることを確かめ、医師の管理と指導のもとで行うよう求めています。
箱に入っている取扱説明書を必ず読むよう指導することも、電子添文に書かれています。
保険診療では、自宅での自己注射を指導・管理する料金(在宅自己注射指導管理料)を算定できると、厚生労働省の通知にあります。アテオスは注入器と一体のキットなので、注入器の加算は算定できません。
保険で使える人の条件は保険で使える人の条件で扱っています。
よく出る疑問
旅行で数日家を空けるときは、どう持ち歩けばいいですか?
室温で置くなら、30℃を超えない場所で、外箱に入れたまま、21日以内に使うという条件を守ります。打つ曜日を旅行に合わせて変えるときは、前の注射から72時間以上あけます。不安があれば、出発前に医師か薬剤師に相談してください。
二の腕に自分で打ってもいいですか?
患者向けの資料では、自分で打つ場所はおなかか太ももです。二の腕の後ろ側は、操作の訓練を受けた人に手伝ってもらう場合に使えます。
1箱に何本入っていますか?
包装の単位は「0.5mL×2キット」で、1本は1回分です。どの規格も1本に0.5mLが入っています。
体調が悪くて、打つのを延ばしたいときは?
量を下げるか、上げる時期を延ばすかは、医師が決めます。電子添文には、胃腸の症状で続けにくい人では減らすか延期を考えると書かれています。自分で判断せず、処方した医療機関に連絡してください。
- ゼップバウンド皮下注アテオス 電子添文(2026年9月改訂 第6版)|PMDA(2026-10-31確認)
- ゼップバウンド皮下注アテオス 患者向医薬品ガイド(2026年5月更新)|PMDA(2026-10-01確認)
- ゼップバウンド皮下注 薬価基準収載のお知らせ(2025年3月19日)|日本イーライリリー・田辺三菱製薬(2026-10-01確認)
- ゼップバウンド皮下注アテオスに関する適正使用のお願い(RMP資材)|PMDA(2026-10-01確認)
- 審査報告書 ゼップバウンド皮下注(2024年12月27日承認)|PMDA(2026-10-01確認)
- 保医発0318第4号「使用薬剤の薬価(薬価基準)の一部改正等について」(令和7年3月18日)|厚生労働省(2026-10-01確認)
このページは、電子添文や国のガイドラインなど公開された資料をまとめたものです。一人ひとりの体に合うかどうかは判断できません。始める・やめる・量を変えるときは、処方した医師か薬剤師に相談してください。当サイトは医療機関の紹介も、薬の販売もしていません。詳しくは免責事項をご覧ください。